Flashが普及した経緯は?
以前Adobe flash player(アドビフラッシュプレイヤー)のコンテンツはWEBサイト上で非常に多く使われていました。
インターネットの初期においては通信速度や転送容量の制限があったので、動きの無い画像や文字のホームページが多い傾向にありました。
しかし、次第に通信環境が向上するにつれて、動画やゲームなどをウェブサイト上で利用することができるようになりました。
人気が急上昇したAdobe社のFlash Player
そんな中で人気が上昇したのがFlash Playerです。
Flash Playerを使うことでアニメーションやゲームと言った、動画や音声を使ったリッチコンテンツが簡単に作成できるようになったのです。
文字や画像のみの静的なWEBページに比べ、より華やかで目にとまるリッチコンテンツは、広告や企業WEBサイトに広がり、あちこちで提供されるようになっていきました。
Adobe公式サイト/Adobe Flash Player
https://www.adobe.com/jp/products/flashplayer.html
Flashが衰退した理由その1
しかし一方で、Flash Playerを狙った悪質な攻撃が多発するようになります。
Flash Playerの複雑なプログラムをWEB上で動かせる事を逆手に取り、悪質なプログラムがコンテンツやウイルスが組み込まれるケースが増えていったのです。
そのためGoogle社は自社の提供するブラウザ「Chrome」上では、WEB制作者に向けてAdobe Flash PlayerからHTML5への移行を促すようになりました。
HTMLとはWEBページを作成する際の最も基本的な規格のようなものですが、以前はこれにFlash Playerコンテンツを組み込む事でリッチコンテンツを成立させていました。
しかしHTML5へのバージョンアップを機に、HTMLそのものに立地コンテンツを組み込む事が可能になり、より安全で動作の軽量なHTML5が推奨される流れになっていったのです。
Flashが衰退した理由その2
またFlash PlayerはiPhoneなどでは利用できないという、スマートフォンとの相性の悪さも欠点としてありました。
Flash Playerのコンテンツを再生するには、見る側もプラグインをダウンロードしなければならないという手間もありました。
モバイル機器でのFlashコンテンツの再生には、電池消費に大きな負担がかかるという事であまり歓迎されていなかったのです。
一方HTML5は、スマホでの利用が念頭に置かれて開発されたものでした。
読み手側にとって軽い動作と気軽に利用できるコンテンツが実現されています。
今では動きのあるサイトをスマートフォンで見ていても、事前にプラグインをダウンロードするよう促されるないと思います。
これはひとえにサイトがHTML5で作成されているためであり、もしFLash Playerで作成されたページであれば何も表示されないようになっているからです。
そのためWEB業界全体でも急速にHTML5の利用が進み、Flash Playerの存在は一気に目立たなくなっていきました。
そしてついに、Adobe社はFlash Playerのサポートを2020年を目処に終了する事を発表しました。
Flashコンテンツは利用できなくなってしまうのか?
ではFlash Playerでせっかく作成したコンテンツは、そのままムダになってしまうのでしょうか?
結論から言えば、現状での救済方法はあります。
Adobe社は2020年にFlash Playerのサポートを終了するということですが、だからと言ってすぐにすべてのFlash Playerコンテンツが見られなくなるという訳ではありません。
WEBページを開いたときに、ChromeがFlash playerの必要性を判断した場合は、現時点ではChromeからFlash Player実行の許可を求めてきます。これを許可する事で再生は可能です。
場合によりChromeが上記の判断をできず、Flashコンテンツが表示されないケースもあります。
そのた場合は、コンテンツの代替として表示される文章に、Flash Playerダウンロードのリンクを貼り、読み手側にFlash Playerのダウンロードと実行をする指示を出すのが最善策となります。
また、いずれは現状のコンテンツをHTML5との互換性を持たせる方法が登場する可能性もあります。
過去のFlashコンテンツはまだ利用価値がある
もしあなたのWEBサイトでFlash Playerのコンテンツを利用していたとすれば、今のまま放っておくと、知らないうちにトップページが表示されなくなるかもしれません。
Flash Playerのコンテンツが全盛期の頃に作られたWEBサイトであれば、トップページの目立つ場所にコンテンツ利用されていた可能性が高いです。
すると、あなたのサイトのトップページに、大きな空白ができてしまうこともあり得る訳です。
しかし昔作ったコンテンツでも、大事な資産である事には間違いありません。
今ではサイト作成が安価になったとはいえ、なかなか希望に沿うクオリティのサイトを提供してもらうのは難しいのは同じです。
ですから、せっかく手元にあるコンテンツを無駄にするのではなく、まだまだ有効利用できる可能性もあることを念頭においておく必要があります。
Adobe公式サイト/Adobe Flash Player
https://www.adobe.com/jp/products/flashplayer.html
ライター名 :杉田
プロフィール:小規模IT系企業の総務・経理を担当。最新のIT情勢から、これからの企業のあり方、インターネットと社会との関わりかたを俯瞰して見据える。