ATOK(エイトック)とは?
ATOKはPC-9801の時代、OSはMS-DOSの頃から親しまれていた日本語変換ソフトです。
パソコンのOSがMS-DOSからWindowsに移行した後も、より正確な日本語入力が必要な場面や企業などではWindows標準のIMEではなくATOKやWXなどのIMEが利用されてきました。
近年は無料で使える『Google日本語入力』の普及により、日本語変換ソフトに改めてお金を出す人も少なくなっていました。
しかし、Google日本語入力の場合、語彙は豊富ですがネットスラングなども合わせて情報収集され、それが変換候補として反映されることもあります。
そのため間違った漢字や言葉が用いられる可能性があり、より正確な日本語の使用を求められる場面では、現在でもATOKが重宝されています。
ATOKは毎年のバージョンアップが定例となっていましたが、2018年ジャストシステムは大きく方向転換し、パッケージ版での新たなATOKの提供を終了しました。
最新バージョンでは、サブスクリプション方式(月額課金制)の『ATOK Passport』での提供がなされています。
サポートされるOSはWindows、MacOS、Androidとなっており、現時点ではiOSは対象外となっている点には注意が必要でしょう。
とはいえこれまで販売してきたパッケージ版の『ATOK for Windows』『ATOK for Mac』や、買いきりアプリの『ATOK for Android』の提供を完全に止めてしまった訳ではありません。
パッケージ版の店頭在庫は販売されており、ジャストシステム公式ショップからも2017年版の『パッケージ版』『ダウンロード版』のATOKをWindows版、Mac版共に購入することが可能です。(2018年9月現在)
ジャストシステム公式オンラインショップ
https://www.justmyshop.com/products/atok/?left=taro_at
ATOK Passportの種類と値段、パッケージ版と比較した場合の値段は?
ATOK Passportでの販売価格は、パッケージ版の『ATOK ベーシック』(拡張辞書の無いもの)に相当する『ATOK Passport ベーシック』が月額286円(税別)となっています。
また、広辞苑や和英辞典などの辞書が付いた『ATOK プレミアム』に相当する『ATOK Passport プレミアム』は、月額476円(税別)という料金設定です。
パッケージ版との大きな違いは、同時にインストールできる端末が『3台』までだったのが『10台』になったこと。
さらに、1年間の無料体験版扱いだった各種クラウド機能が常時使えるようになっていることや、ATOKがバージョンアップしても買い換えの必要がない点などでしょう。
ちなみにATOK Passportの月額料金を年換算して消費税(8%)を加えると、ベーシック版は年額 『3,706円』、プレミアム版が『6,168円』となります。
現在販売されている2017年のパッケージ版は、ベーシック版が『税込6,000円~7,000円』程度、プレミアム版が『税込9,500円~12,000円』程度で販売されています。
パッケージ版を2年以上使用するのであれば、買いきり型のパッケージ版の方がコストが安くなると言えそうです。
クラウド機能を利用した『ATOKキーワードExpress』や『ATOK Sync アドバンス』は、プレミアム版でも最新版のみ利用可能、あるいは1年間無料扱いで、それ以降は有料登録する必要がありました。
上記のクラウドを利用した機能や、ATOKを毎年買い替えていたユーザーなどは、ATOK Passport版に移行してもそれほどコストの差は感じられません。
例えば肝心の名前が思い出せないときに「なんとか」と付ければ名称を候補に挙げてくれる『ナントカ変換』などのATOK Sync アドバンスなどの機能を、期限を気にせずに利用できるメリットもあります。
ATOKクラウドサービスを活用するユーザーにとっては、むしろお得だとも言えるでしょう。
2018年現在ATOKを買うならどこが良い?
ATOK Passportを利用する場合、ジャストシステムの公式ネットショップであるJust My Shopからユーザー登録と別途ソフトのダウンロードが必要です。
従来の月額版からの登録変更も、下記URL最後の『コース変更/ベーシックからプレミアムへ/旧ATOK月額版から ATOK Passportへ』のリンクから行うことができます。
ジャストシステム公式サイト/ATOK Passport
https://www.justmyshop.com/products/atok_passport/
料金は前述の通り、プレミアム版が月額476円(税別)、ベーシック版が月額286円(税別)です。
パッケージ版の最終バージョンであるATOK 2017も、ネットショップを見るとまだ在庫は残っているようです。
Amazon.co.jp
・ATOK 2017 for Windows
ベーシック版が6,090円(税込)、プレミアム版が11,622円(税込)、学生のみ利用できるアカデミック版は4,468円(税込)で購入可能です。
・ATOK 2017 for Mac
ベーシック版は7,222円(税込)、プレミアム版が10,186円(税込)で購入できます。
価格.com
価格.comに掲載されている最安値は以下のとおりです。
・ATOK 2017 for Windows
ベーシック版が7,320円(税込)、プレミアム版が9,375円(税込)、アカデミック版が4,468円(税込)となっています。
・ATOK 2017 for Mac
ベーシック版は7,222円(税込)、プレミアム版が10,186円(税込)となっており、どちらもAmazon.co.jpでの価格が最安値となっているようです。
ジャストシステム公式サイト
ジャストシステム公式サイトでは『AAA優待版』というバージョンが購入できます。
これは、かつてATOK単体製品を購入し所持しているユーザーのみが利用できる『バージョンアップ専用優待割引』です。
AAA優待版の利用には、以前のATOKで使用した登録済みのユーザーIDや、シリアルナンバーが必要となります。
通常のパッケージ版は公式サイトでの値引き額は低いのでAmazonや価格.comのリンク先ショップから購入した方が安価です。
ですがAAA優待版なら全く同じ製品が安く購入できるので、以前ATOK単体(一太郎などに付属しているものは不可)を購入したことがあるのであれば、AAA優待版を購入するのが最もお得になります。
・ATOK 2017 プレミアム AAA優待版
パッケージ版が9,720円(税込)/ダウンロード版が8,640円(税込)
・ATOK 2017 ベーシック AAA優待版
パッケージ版が5,400円(税込)/ダウンロード版が4,860円(税込)
ちなみにWindows版、Mac版共に同じ値段となっています。
(上記価格は2018年9月26日現在のものです)
まとめ
ジャストシステムは、日本語変換ソフトの『購入へのハードルを下げる』『クラウドがメインのサービス展開』を重視し、従来の買切型と月額課金型の併売をやめ、月額課金型一本に専念しようとの考えです。
大手マイクロソフトは月額課金型の『Office 365』を推奨しつつ、2018年9月24日に買切型の『Office 2019』を提供開始しました。
どちらも買切型にも一定の需要があることを鑑み、現時点では買切型パッケージも維持してくれる点は、利用者にとってはありがたいことです。
購入形態の選択肢は多いに越したことはありません。
ユーザーも自分にとって使いやすく、ランニングコストも考慮した上で、導入するソフトを『月額課金型』か『買切型』にするかを選択するのが良いでしょう。
ジャストシステム公式サイト/ATOK Passport
https://www.justsystems.com/jp/products/atok-passport/?w=home
ライター名 :杉田
プロフィール:小規模IT系企業の総務・経理を担当。最新のIT情勢から、これからの企業のあり方、インターネットと社会との関わりかたを俯瞰して見据える。